Made in Moon

僕の自主出版絵本に Made in Moon という本がある。1993年に自主販売している。
僕の生まれ育った九州熊本には、アミロイドポリニューロパチーと言う難病を発症してしまう人が住む村がある。全身にアミロイドが蓄積する病気で、症状は足先からのチクチクとする鈍痛に始まり、温度感覚の麻痺、神経障害、下痢や便秘、眩暈、排尿障害など。これに体重減少や心電図異常などが加わり、数年〜数十年を経て、心不全、尿毒症、肺炎で死に至る。患者の殆んどが20歳までも生きられない。僕の小学校からの同級生がその病気であった。病名の前に家族性と付く程遺伝性が強く、古来からその村の人々は差別を受けてきた。治療は肝移植で発症を遅らせることができると聞いた。今から20年程前、その僕の同級生は自分がその病気であることを公表した。当時は国内での肝臓の移植手術は認められておらず、海外での手術しか術はなかった。そして、それを受けるには多額の資金が必要だった。最低2千万円と言われていたのを憶えている。僕は少しでも多く支援するためにこの本を書き下ろし、手売りでお金を集めた。場所は学生時代を過ごした国立市近辺から三鷹、吉祥寺。今も営業を続けている国立の中一素食店(レストラン)や、ひょうたん島(喫茶店)、もも太郎(絵本屋さん)、あちゃ(インドカレー屋さん)でも置いてもらっていた。
と、こんな僕の境遇と強引に結べ付けてしまうと。今、PARADAで個展をやっている伊藤清子さんは、子供の頃『国立に住んでいた』と聞いた。『中一素食店によく行ってた』とも聞いてしまった。で、この “ Made in Moon ” という本を見せてしまったら、憶えていてくれていた。彼女は当時小学生!それから時が経ち、今から7年前に彼女とはニューヨークでのグループ展で一緒になった。もちろんそこで会っているからPARADAに紹介した。何という縁だろう!僕の事は憶えていなくても、この本のことは憶えていてくれていた。こんなに幸せなことはない。そして、アミロイドポリニューロパチーであった僕の同級生は、僕がそのグループ展に参加し、伊藤さんに会った年に亡くなった。スウェーデンで肝臓の移植手術を受け帰ってきて、10年以上生き存えてくれた。本人は生き急ぐように人生を情熱的に駆け抜けたと聞く。
このFBでもよく、世界規模のことから身近なことまでの不条理に立ち向かうメッセージを見る。涙することもある。震災のことから、今だに続く途上国の貧困の問題、内戦、原発再稼働、犬や猫の殺処分、などなど。立ち上がり声をあげている人にはホントに頭が下がる。ありがとう。

写真はPARADAで現在開催中の伊藤清子展!月曜日休廊、21日まで!
もう一枚は僕の本、Made in Moon!非売品ではあるが、これもPARADAに置いてある。

最後にアミロイドポリニューロパチーの患者さんたちは、全国にも数ヶ所の村落で現在も声を影を潜め暮している。それはその病気の遺伝率が極めて高く、結婚などの障害となってきたからでもあり、やはり差別を受け続けているからである。この病気の医療的進化も未だ進んでいない。僕の同級生はおそらく日本で初めてこの病気に立ち向かい、肝移植に成功した。『肝移植をすればおよそ10年は生き存えることが出来る、と言うデータが取れた。』と、それが同級生のお父さんの言葉だった。お父さんまでも『息子のこと』と言う枠を超え、この病気自体と闘っていたのである。
僕らは毎日を精一杯生きよう、明日は無いかもしれないのだから!

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